日本語学校って、「ちょっと変わった人」が多いように思います。

私も例外じゃないですが(笑)
今回は、私が昔務めていた日本語学校での話。
え、それが理由!? 新人教師の一言に戸惑う現場
私がとある日本語学校で働き始めて半年程経った頃、先月養成校を卒業したばかりだという20代の女性が非常勤としてやって来ました。
第一印象は、明るい人。
声も大きく、ハキハキ話すので、

教室の後ろまで声が届いていいだろうな
と思いました。
「なにその感想」って感じですが、学生に「声が聞こえません」と言われてしまう先生もいるので、これは結構大切なことだったりします。
声が小さいと、どんなにいい授業をしていても、学生には届きませんからね。
さて、その女性は今までアルバイトを転々としていたからか、まったく人見知りしないし、新しい職場だからといって緊張することもない様子。
出勤は週3くらいでしたが、いつも自分の近くを通る事務員や教師に話かけては、よく雑談をしていました。
私は半年経ってもそんな余裕はなかったので、単純にすごいと思いました。
ただ、授業中によく「忘れ物しちゃった~」と職員室に取りに戻って来ていたので、準備万端だから雑談していたわけではなさそう。
それはさておき、彼女を含め、数人でランチしながらお喋りしていたある日———

あたし、外国人と恋愛したくて日本語教師になったんですよね
私は、耳を疑いました。
他の人もかなり驚いていたので、この発言が普通ではないことは明らかです。

あ、でも「学生との恋愛」とは言ってないか
と、あくまで学生以外を対象としている可能性を心中で期待しましたが、その後のやり取りで、ガッツリ教え子狙いだということがわかりました。
恋愛目的の日本語教師が周囲に与える影響
これ、同僚としてはいい迷惑です。
だって、日本語教師と学生は、いわば従業員とお客様。
結果的に「恋に落ちる」というなら、まだわかるけど(いや、本当はわからないけど。ここはわかったふりをしておく)最初からお客様狙いって…どうなの?
多くの学生にとって、日本語教師は来日して最初に長い時間関わる日本人で、日本語教師の印象=日本人全体の印象になる場合も少なくありません。
だから、日本人代表というのは少々言い過ぎかもしれないけど、それくらいの気持ちで教壇に立つ覚悟は必要だと思うのです。

それが、恋愛目的って…
そもそも、教師側にはまったくそんな気がなくても、学生と年齢が近い日本語教師は、学生に好意を抱かれやすいです。
この状況に戸惑い、疲弊する日本語教師からすると、彼女のように積極的に学生と恋愛しようとする同僚の存在は、邪魔でしかありません。
彼女が学生を恋愛対象とすることで、他の学生も教師を恋愛対象だと捉えてしまう可能性だってあります。
日本語教師と学生の恋愛については、様々な意見がありますが、否定派だった私は

厄介な人が来てしまったな…
と思わずにはいられませんでした。
日本語教師になった理由は人それぞれ
日本語教師の志望動機は、本当にバラバラです。
「言語学や日本語の構造に興味があって、教えることを通して深く学びたかったから」「海外で働くための手段として」「異文化交流が好きだから」「最初はボランティアだったけど、本格的に教えたいと思ったから」「世界に誇る日本文化を伝えたい」等
もちろん、どんな動機が良くて、どんなのが悪いということはありません。
私自身、「外国人と関わりたい」というのが動機の一つとしてあったし、少なくとも外国人嫌いな人は日本語教師を目指さないので、「外国人が好きだから」という理由もあるでしょう。
ただ、外国人との恋愛や結婚を目的として日本語教師になるという発想には、思考が追い付きませんでした。
2024年に国家資格になる前の日本語教師は、養成機関で420時間勉強→卒業した人がなる場合が多く、その費用は45万~60万程度でした。
彼女もこのパターンだったので、養成機関の費用をアルバイトで稼ぎ、週末に授業を受けて1年近くかけて卒業してきたわけです。
決して安くはないし、通学も大変だったと思うのですが、それが‟外国人と恋愛するため”

むしろその熱量を褒めるべき?
でも、彼女の話を聞いた後、実は他の日本語教師にも「外国人と付き合いたい」「国際結婚したい」という人は一定数いるのかもしれないと思いました。
人には言わないだけでね。
そう、彼女の問題は、ストレートに言葉にしてしまったこと。
たとえ学生との恋愛が目的だったとしても、胸の内に秘めておけば、あの場がザワつくことはなかったのです。
恋愛目的で日本語教師になるのってアリ?
とはいえ、私の価値観では、学生と教師の恋愛は絶対にナシです。

在学中はもちろん、卒業後でもナシ!
教育現場に色恋沙汰を持ち込むなんて、言語道断だと思います。
ただ、一番やってはいけないのは「恋愛を意識しすぎて教師の役目を果たさないこと」であり、日本語教師として特定の学生を贔屓することなく、やるべきことをきちんとこなすのであれば、特に問題ないのかもしれません。
結局、大事なのは動機よりも“その後どう向き合うか”
教室の雰囲気を乱さず、学生に不快感を与えず、学校や同僚にも迷惑をかけないなら、恋愛は基本的に自由です。
彼女とは半年間一緒に働きましたが、その間学生と浮いた話はなく、私は身構えていただけにホッとした記憶があります。
まぁ、その後、彼女は他の日本語学校で働き出してすぐに学生と恋仲になって子どもを身ごもったという後日談がありますが…
この件については、詳細がわからないので、何とも言えません。
現役日本語教師として思うこと
私が日本語教師になって10年以上経ちますが、学生と恋愛関係になった日本語教師は、多くはないけど少なくもないといった印象です。
教え子と国際結婚した元同僚もいます。
一般的には「在学中でなければ黙認」という現場が多いですかね。
彼女と出会うまで、日本語教師の志望動機に「外国人との恋愛」があるなんて思ってもみませんでしたが、実際に学生とどうこうなっている日本語教師達を見ると、意外と同じような考えの人はいるのかもしれません。
最初は

外国人との恋愛目的で日本語教師になるって、、コスパ悪すぎでしょ
と思っていましたが、教師側がその気になれば、日本語教師と学生は恋愛に発展しやすい関係と言えます。
海外旅行に行ったり、外国人が集まる場に出向いて出会いを探すより、恋愛できる可能性が高いような気もします。
実際、彼女は願い通り?外国人と恋愛できたわけなので、彼女にとっては日本語教師になって夢を叶えたということになりますよね。
まぁ、日本語教師としてどうだったかわかりませんが…
誰も不幸になっていないことを願います。
まとめ:動機はどうであれ、“その後”がすべて
日本語教師を目指す背景は、それぞれ違って当たり前です。
皆が同じ考えなわけがないし、様々な意見を持った日本語教師と関わることは、学生にとっても有益だと思います。
だから、学生との恋愛を目的とした日本語教師がいたっていい。
ただし、

仕事はちゃんとしろよ!
と腹の底から叫びたいです。
素敵な日本語教師が増えますように———
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